- 脳動静脈奇形 (AVM)
- 脳腫瘍
転移性脳腫瘍・髄膜腫・下垂体腺腫・聴神経鞘腫・松果体腫瘍・頭蓋咽頭腫・ 血管芽細胞腫・ 脊索腫・三叉神経鞘腫・神経鞘腫・悪性リンパ腫など
- 機能的疾患 三叉神経痛 など
H27年7月より、三叉神経痛に保険が適用されるようになりました。
次に、代表的な病気について説明いたします。
転移性脳腫瘍
従来より「全脳照射」といって、脳全体に放射線をあてる治療がありましたが、髪の毛が抜ける、認知症になるなどの副作用があり、患者さんにとって負担の大きい治療でした。治療期間も長くなります。
ガンマナイフは腫瘍(できもの)のところだけに的を絞って当てるので、副作用が少ないのです。さらに、最近では画像技術の進歩により、小さな転移巣も見つけて治療することができるようになっています。腫瘍の勢いを抑えることにより、患者さんが元気でいられる期間を延ばしたり、麻痺を軽くするという可能性が出てきます。このようなメリットがあるので、ガンマナイフは転移性脳腫瘍の治療に使われることが年々増えています。
しかしながら、ガンマナイフで治療可能な腫瘍の大きさには制限があります。一般的に直径3cm以下のものが治療の対象となりますが、 新機種「アイコン」の導入により、大きめの腫瘍に対しても、分割での治療が可能となりました。
下垂体腺腫
下垂体は視神経に近い場所にあり、視神経は他の部分よりも放射線の影響を受けやすいのです。
下垂体腺腫にガンマナイフを使うときには、細心の注意を払って線量を調節しなければなりません。
どちらかというと外科手術で取り去る方が多いのですが、手術後に残った腫瘍や、腫瘍が小さい場合にはガンマナイフを使います。
聴神経鞘腫
中等度までの大きさ(平均径2.5cmまで)のものが、ガンマナイフで治療できます。95%の方で腫瘍が小さくなったり、発育が止まったりという効果があります。副作用として、治療後の顔面神経麻痺、三叉神経痛などが2%程度の人に現れますが、多くは一時的なものです。65〜70%の方で聴力も温存できます。
大きい
聴神経鞘腫の場合は、開頭手術が必要になりますが、手術の後にガンマナイフを併用することによって再発率が低くなることがわかっています。
髄膜腫
髄膜腫に対する治療は基本的には手術ですが、脳の奥の方(頭蓋底)にあると手術でとりにくいことがあります。
この場合ガンマナイフ後の縮小率は70%と有効で、安全な治療ができるのでガンマナイフ治療が向いています。また、手術でとりきれなかったものや、全身麻酔での手術ができない方の場合も、ガンマナイフが使われます。脳が腫れるなどの副作用は、最近の低線量での治療で少なくなっています。
手術か、ガンマナイフか判断に困る場合は、ガンマナイフ専門医にご相談ください。
神経膠芽腫(グリオブラストーマ)
初期治療としてガンマナイフは使用しませんが、通常の放射線治療や化学療法と併用する場合はあります。
脳動静脈奇形(AVM)
通常、動脈と静脈の間は毛細血管を経てつながっているのですが、異常な血管で直接結ばれている先天的な異常です。大きさが3cm以下、容積が10立方センチ以下のものに対してはガンマナイフ治療が有効で、80〜90%の人に有効という成績が報告されています。
三叉神経痛
三叉神経が脳幹に入る部分が血管で圧迫されるために起こると言われていますが、従来の治療は薬物療法、ブロック療法、微小血管減圧術(開頭手術)の3つでした。近年ガンマナイフの効果があることがわかり、使われることが増えてきました。H27年7月より、保険が適用されるようになりました。
痛みを感じている部分をごく小さなガンマ線で照射することによって、痛みの感覚を和らげます。治療後すぐに痛みのとれることは少なく、個人差はありますが、約1〜3か月後に効果が出てきます。
ご注意:ガンマナイフが使えるかどうか、どの程度の効果が期待できるかを判断するには、ガンマナイフ専門医による診断が必要です。同じ病名があっても一人ひとり、病気の状態や身体の状態が違うからです。すべての患者さんがガンマナイフで良くなるというわけではありません。このサイトの情報は一般的な情報としてご参考にしてください。
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