Seong-Hyun Park, M.D. , Kyu-Yup Lee, M.D. , and Sung-Kyoo Hwang, M.D. Nervus
intermedius dysfunction following Gamma Knife surgery for vestibular schwannoma
Clinical article Journal of Neurosurgery Posted online on October 26, 2012.
<目的>
この研究の目的は、聴神経鞘腫の治療として近年のガンマナイフ治療(GKS)を施行された後の顔面神経の非運動成分である中間神経の機能を評価することである。
<方法>
2005年から2010年の間に、一連の65人の患者が聴神経鞘腫の初回治療としてGKSを著者らの施設で施行された。著者らは、GKSの前後で患者らの主観的な観点から中間神経の機能を評価するために、機能に関するアンケートを用いて患者の調査を行った。一側聴神経鞘腫に対して、GKSで治療された50人の患者からデータが収集できた。
<結果>
50人の内9人(18%)は聴神経鞘腫そのものによって引き起こされる、涙腺機能障害、唾液腺機能障害、鼻粘液分泌障害や味覚といった中間神経障害のうち、少なくとも一つをGKS前に認めていた。GKS前に障害を認めていなかった41人のうち、9人(22%)でGKS後に少なくとも一つの新たな障害の発症を認めた。特にそれらの障害のなかでGKS前に涙腺障害を認めなかった45人の内、5人(11.1%)でGKS後に新たな涙腺障害を認めた。
GKS後に新たに唾液腺障害の発症は48人中3人(6.2%)で報告された。1人(2%)においてGKS後1年で鼻粘液分泌増加を認めた。GKS前には味覚障害を認めなかった47人の内5人(10.6%)でGKS後に症状を認めた。GKS前後で顔面神経麻痺を認めた患者はいなかった。GKS後の中間神経障害と腫瘍サイズ、辺縁線量、年齢との間に有意な相関はなかった。
<結論>聴神経鞘腫に対して近年のGKSを施行された患者の22%は、GKSの結果として顔面神経の非運動成分の様々な障害を経験することを著者らは明らかにした。
この研究を通して、著者らは聴神経鞘腫に対してのGKS後に起こりうる症状についての有用な情報を提供する事ができる。 定位的放射線治療(SRS)は、転移性脳腫瘍の患者の全脳照射に変わるものとして、その潜在的な毒性を軽減することを目的に、ますます増加傾向にある。
上記の記事は高知ガンマナイフセンターが発行した「
ガンマナイフ治療最新情報」に収録されています。